雇用保険法施行規則(段階施行2/2)

被改正法 雇用保険法施行規則
改正法 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令
公布日 令和7年3月下旬(予定)
施行日 令和7年4月1日(予定)
令和7年10月1日(予定)
詳細 概要
パブリックコメント ※2/27迄

改正の背景

「雇用保険法」「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」に基づく各種助成金について、令和7年度分に係る制度の見直しや新設等を行います。

改正の概要

早期再就職支援等助成金

■雇入れ支援コースの見直し

事業規模の縮小等により離職を余儀なくされた労働者を雇い入れる事業主の負担軽減及び雇入れに伴う教育訓練の実施を促す観点から、受入れ人材育成型訓練への助成を設けているが、利用実績が少ないこと、類似の助成金制度の利用が可能であることから、雇入れ支援コースにおける受け入れ人材育成型訓練への助成を廃止する。

【現行制度】

事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者を、早期(離職後3か月以内)に、期間の定めのない労働者として雇い入れ、雇入れ前の賃金と比して5%以上上昇させた場合に助成する。また、雇入れ後に訓練を実施した場合、その費用の一部について上乗せ助成を行う。

〇支給額

※1 生産指標等により一定の成長性が認められる企業が、事業再編等を行う企業等から離職した者を雇い入れた場合(優遇助成)の加算(+10万円)
※2 優遇助成における訓練加算(+100円/時間)
※3 <>内の助成額は中小企業事業主以外

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金の各コースについて、申請項目や添付書類の簡素化等の観点から、対象事業主の支給要件の見直しを行う。

■65歳超継続雇用促進コースの見直し

65歳超継続雇用促進コースについて、支給対象事業主の要件における高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高齢法)の遵守期間の定めに係る記載を削除。

【現行制度】

支給対象事業主の要件として、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第8条又は第9条第1項の遵守に係る期間を「労働協約又は就業規則により65歳への定年引上げ等の措置を講じた日から起算して6か月前の日から支給申請日の前日まで」としている。
また、高年齢者雇用等推進者の選任に加え、高年齢者雇用管理に関する措置(以下ア~キのいずれかの措置)の実施を要件として定めている

ア 職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
イ 作業施設及び作業方法の改善
ウ 健康管理及び安全衛生の配慮
エ 職域の拡大
オ 知識及び経験等を活用できる配置又は処遇の推進
カ 賃金体系の見直し
キ 勤務時間制度の弾力化

■高年齢者評価制度等雇用管理改善コースの見直し

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースについて、支給対象事業主要件における高齢法遵守期間の定めに係る記載を削除。

【現行制度】

支給対象事業主の要件として、高齢法第8条又は第9条第1項の遵守期間を「雇用管理整備計画書提出日から起算して6か月前の日から支給申請日の前日まで」としている。

■高年齢者無期雇用転換コースの見直し

高年齢者無期雇用転換コースについて、支給対象事業主要件における高齢法遵守期間の定めに係る記載を削除。

【現行制度】

支給対象事業主の要件として、高齢法第8条又は第9条第1項の遵守期間を「無期雇用転換計画書提出日から起算して6か月前の日から支給申請日の前日まで」としている。
また、高年齢者雇用等推進者の選任に加え、高年齢者雇用管理に関する措置(以下ア~キいずれかの措置)の実施及び実施状況を明らかにする書類の整備を要件として定めている。

ア 職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
イ 作業施設及び作業方法の改善
ウ 健康管理及び安全衛生の配慮
エ 職域の拡大
オ 知識及び経験等を活用できる配置又は処遇の推進
カ 賃金体系の見直し
キ 勤務時間制度の弾力化

特定求職者雇用開発助成金

■生活保護受給者等雇用開発コース助成金の見直し

申請項目や添付書類の簡素化等の観点から、これまで対象事業主に求めていた「雇入れに係る者の雇用管理に関する事項の把握」の添付書類について、ハローワークによる定期的な事業所訪問による職場定着指導の中で把握することが可能であるため削除する。

【現行制度】

ハローワーク又は地方公共団体において、通算して3か月を超えて支援を受けている生活保護受給者や生活困窮者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成しており、支給対象となる事業主から雇用管理事項の把握を求めている。

■就職氷河期世代安定雇用実現コース助成金の廃止

就職氷河期世代を含めた中高年層を広く支援するため、就職氷河期世代安定雇用実現コース助成金については令和6年度をもって廃止する。

【現行制度】

いわゆる就職氷河期に正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用につくことが困難な方をハローワーク等の紹介により、正規雇用労働者として雇入れる事業主に対して助成する。

■中高年層安定雇用支援コース助成金(仮称)の新設

就職氷河期世代を含めた中高年層を広く支援するため、「就職氷河期世代安定雇用実現コース」から対象を拡大し、中高年層安定雇用支援コース助成金(仮称)を新設する。

【新制度の概要】

不安定な就労状況にある中高年層などの就職が特に困難な者(35歳以上60歳未満の者に限る)の雇用機会の拡大や安定雇用を図るため、これらの者をハローワーク等の紹介により、正規雇用する労働者として雇入れる事業主に対して助成する。

〇支給額

50万円(中小企業事業主は60万円)

※就職氷河期世代を含む中高年層に対象を拡大するに当たって、「過去に正規雇用労働者として勤務した後に婚姻、妊娠、出産又は育児を理由として離職した者を対象外とする規定は削除し、その他の要件等は「就職氷河期世代安定雇用実現コース助成金」と同様

■発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース助成金の見直し

発達障害者や難病患者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成する制度であるところ、これまで対象事業主に求めていた「雇入れに係る者の雇用管理に関する事項の把握」の添付書類について、難病患者就職サポーター等の拡充により、助成金を受給しているかによらず把握することが可能となったため削除する。

【現行制度】

発達障害者や難病患者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる、雇入れに係る者の雇用管理に関する事項の把握を行った事業主に対して助成しており、支給対象となる事業主から雇用管理事項の把握を求めている。

トライアル雇用助成金

■一般トライアルコース助成金の見直し

就職期の雇用情勢如何によらず、不安定な就労をしている者の安定雇用を支援するため、支給年齢を60歳未満に見直す。

【現行制度】

職業経験の不足などから就職が困難な求職者等(昭和43年4月2日以後に生まれた者に限る)を、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定期間試行雇用を行う事業主に対して助成する。

両立支援助成金

■介護離職防止支援コース助成金の見直し

育児・介護休業法改正に伴い、以下の通り制度の見直しを行う。

  • 「介護休業」の助成金の要件について、「合計5日以上の介護休業を取得したこと」としていたところ、「連続5日以上の介護休業を取得したこと」に見直し
  • 「介護休業」の助成金について、休業取得時と職場復帰時に分割して支給していたところ、職場復帰時に一括支給に見直し
  • 「介護両立支援制度」の助成金について、制度導入数及び制度利用日数に応じた支給額に見直し
  • 被保険者が介護休業を取得した場合において、介護休業期間中に代替要員の新規雇用(派遣の受入れを含む)又は介護休業期間中に業務を代替する労働者への手当支給等を行った中小企業事業主に対して、現行では「介護休業(職場復帰時)」の加算措置として支給していたところ、独立して助成金を支給することとするとともに、短時間勤務制度利用期間中に業務を代替する労働者への手当支給等にも拡大する
  • 個別周知・環境整備に係る加算について、育児・介護休業法改正に伴い、個別周知の要件を廃止し所定の雇用環境整備の措置を全て講じた場合に加算することとする

〇支給額 ※休業取得/制度利用者1人当たり

注 同一事業主について、①②③でそれぞれ5回までの支給

※1 同一の被保険者の同一の対象家族に係る介護休業の取得について、1回限りの支給
※2 被保険者に連続5日以上の介護休業を取得させ、原職等に3か月以上継続雇用するという要件あり
※3 同一の被保険者の同一の両立支援制度の利用について、1回限りの支給。また、同一の被保険者が同一の対象家族について異なる介護両立支援制度を利用した場合は、2回までの支給
※4 介護両立支援制度の利用終了後、一定期間(支給要領で1か月以上と規定)継続雇用するという要件あり
※5 同一の被保険者の同一の対象家族について、「手当支給等(介護休業)」又は「新規雇用」及び「手当支給等(介護短時間勤務)」のそれぞれ1回限りの支給
※6 介護短時間勤務の利用日数が合計15日以上の場合に限る

〇加算要件

介護休業等の利用申し出を円滑にするための雇用環境整備の措置(※)を全て講じた中小企業事業主に、10万円を加算して支給

※①介護休業等に係る研修の実施、②介護休業等に関する相談体制の整備、③介護休業等の取得又は利用に関する事例の収集及び当該事例の提供、④介護休業等に関する制度及び介護休業等の取得又は利用の促進に関する方針の周知

【現行制度】

①介護休業

  • 介護支援プランを策定し、プランに基づき対象被保険者が合計5日以上の介護休業を取得したこと等の要件を満たした中小企業事業主に支給する。(休業取得時)
  • 上記の休業取得時の助成金を受給し、対象被保険者を同プランに沿って復職させ、3か月以上継続雇用した中小企業事業主に支給する(職場復帰時)

②介護両立支援制度

以下に掲げる制度(介護両立支援制度)について、介護支援プランに沿って雇用環境・均等局長が定める要件以上利用(合計20日以上の利用等)させた中小企業事業主に支給する。

引用:厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】」

〇支給額 ※休業取得/制度利用者1人当たり

引用:厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】」

注 同一年度においてそれぞれ5回までの支給

※1 同一の被保険者の同一の対象家族に係る介護休業の取得について、1回限りの支給であることを支給要領で規定。
※2 「休業取得時」と同一の被保険者のみ対象。
※3 被保険者が3か月以上継続雇用するという要件あり。
※4 同一の被保険者の同一の対象家族について異なる介護両立支援制度を利用した場合は2回までの支給であることを支給要領で規定。
※5 介護両立支援制度の利用終了後、1か月以上継続雇用するという要件を支給要領で規定。

〇加算要件

  • 介護休業をする被保険者の業務を処理するために、代替要員の新規雇用(新たに労働者派遣を受けることを含む)をした中小企業事業主に、「介護休業(職場復帰時)」の助成金に20万円を加算して支給
  • 介護休業をする被保険者の業務を他の労働者が円滑に処理するための措置(手当支給等)を講じた中小企業事業主に、「介護休業(職場復帰時)」の助成金に5万円を加算して支給
  • 対象労働者に対して介護休業介護両立支援制度等に関する個別周知及び介護休業等の利用申出を円滑にするための雇用環境整備を行った中小企業事業主に、「介護休業」又は「介護両立支援制度」の助成金に15万円を加算して支給

■柔軟な働き方選択制度等支援コース助成金の見直し(令和7年10月1日施行予定)

育児・介護休業法改正に伴い、下記の通り制度の見直しを行う。
また、当該コースの措置を、中学校終了前の子を養育する被保険者が利用する場合の加算措置を新設する。

  • 現行では柔軟な働き方選択制度等を2つ以上導入した場合に支給していたところ、育児・介護休業法改正に伴い、柔軟な働き方選択制度等を3つ以上導入した場合に支給へ見直し
  • 柔軟な働き方選択制度等の⑤(被保険者が就業しつつ小学校就学前の子を養育することを容易にするための有給の休暇の付与)の休暇から有給の子の看護等休暇を除外し、「子の看護等休暇制度有給化支援」の独立した助成金を設ける
  • 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の規定による制度をより充実させる措置として、柔軟な働き方選択制度等又は有給の子の看護等休暇を中学校終了前の子を養育する被保険者について利用できる措置とした場合に加算する措置を設ける

〇支給額

※1 同一の事業主について、5回までの支給
※2 同一の被保険者の同一の子に係る同一の制度利用について、1回限りの支給
※3 同一事業主について、1回限りの支給

〇加算要件

  • 柔軟な働き方選択制度等及び有給の子の看護等休暇を中学校終了前の子を養育する被保険者について利用できる措置とした中小企業事業主に、20万円を支給する
  • 支給申請日の属する事業年度の直前の事業年度における育児休業取得率等を厚生労働省のHP「両立支援のひろば」で公開した場合に、追加で2万円を支給する(1事業主当たり1回までの支給に限る)

【現行制度】

子が3歳以降小学校就学前の間において柔軟な働き方を可能とする以下に掲げる制度(以下「柔軟な働き方選択制度等」)を複数導入した上で、育児期の柔軟な働き方の選択及びその後のキャリア形成について支援する計画(「育児に係る柔軟な働き方支援計画」)を策定し、対象被保険者(※)の利用に柔軟な働き方選択制度等を雇用環境・均等局長が定める要件以上利用(合計20日以上のn利用等させた中小企業事業主に支給する。

(※)①②④⑤の利用実績については3歳未満の子を養育する被保険者も対象とする。

〇支給額

引用:厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】」

注 同一年度において5回までの支給
注 同一の被保険者の同一の子に係る同一の制度利用について、1回限りの支給であることを支給要領で規定。

〇加算要件

支給申請日の属する事業年度の直前の事業年度における育児休業取得率等を厚生労働省のHP「両立支援のひろば」で公開した場合に、追加で2万円を支給(1事業当たり1回までの支給に限る)

■不妊治療および女性の健康課題対応両立支援コース助成金(仮称)の新設

既存の「不妊治療両立支援コース助成金」の支給対象事業主及び支給要件を見直し、「不妊治療および女性の健康課題対応両立支援コース助成金(仮称)を新設する。

【新制度の概要】

不妊治療と仕事との両立又は女性の健康課題である月経に起因する症状(PMS(月経前症候群)を含む)への対応若しくは更年期における心身の不調への対応(以下「女性の健康課題への対応」)と仕事との両立に資する職場環境の整備に取り組むとともに、不妊治療のため又は女性の健康課題への対応を図るために利用可能な休暇制度等を導入し、利用させた中小企業事業主に対して助成金を支給。

〇対象事業主

「不妊治療と仕事との両立に関する相談」又は「女性の健康課題への対応と仕事の両立に関する相談」への対応を行う担当者を選任するとともに、不妊治療のため又は女性の健康課題への対応のために利用可能な休暇制度等(※)を設け、休暇制度等を合計5日以上被保険者に利用させた中小企業事業主

(※)不妊治療のため又は女性の健康課題への対応のために利用可能な休暇制度(特定目的・多目的とも可。年次有給休暇及び生理休暇を除く)、所定外労働制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務等(テレワークを含む)

〇支給額

※それぞれ1回限り支給

人材確保等支援助成金

■中小企業団体助成コースの見直し

事業主の申請手続の負担軽減等のため、事業の実施に関する計画に係る認定を不要とする。

【現行制度】

事業協同組合等が、その構成員の中小企業者における労働力の確保及び職場への定着に資する雇用管理の改善に関する事業等を行った場合に、助成を行う。中小企業労働環境向上事業の実施に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた認定組合等であることが要件

■雇用管理制度助成コースの見直し

人口減少社会における労働供給制約による人手不足の解消を図るため、事業趣旨が共通する人事評価改善等助成コースを統合し、下記の通り支給対象となる雇用管理制度を見直すとともに、複数制度の導入を促すため、支給額の見直しを行う。

さらに、働く環境を整備する観点から、従業員の作業負担を軽減するための機器・設備等の導入についても支給対象とする見直しを行い、コース名称を「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」に変更した上で、申請受け付けを再開する。

  • 事業主が雇用管理制度又は雇用管理改善機器等の導入を行い、従業員の離職率の低下が図られた場合に、次表の通り助成を行う。
  • あわせて、雇用する労働者に係る賃金を一定の割合(支給要領において5%と規定)以上に増額した場合に支給額を加算する。

※1 賃金規程制度は賃金表を整備する中小企業事業主を対象(支給要領において規定)
※2 職場活性化制度は現行のメンター制度に従業員調査等を追加(支給要領において規定)
※3 上限額は、複数の雇用管理制度の導入又は雇用管理改善機器等の導入を行った際の助成上限
※4 括弧内の金額は、雇用する労働者に係る賃金を一定の割合(支給要領において5%と規定)以上に増額した場合の支給額
※5 雇用管理改善機器等とは、従業員の作業負担を軽減することにより雇用管理の改善に資する機器又は設備であり、例えば、フォークリフト(運搬作業の軽減)、介護ソフト(介護記録の入力作業の軽減)や食器洗浄機(洗浄作業の軽減)等が対象となる(対象となる機器又は設備は支給要領において規定)

【現行制度】

事業主が雇用管理制度の導入を行い、従業員の離職率の低下が図られた場合に、辞表の通り助成を行う。

■人事評価改善等助成コースの廃止

人事評価改善等助成コースを廃止する(上記「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」に再編)

【現行制度】

生産性向上に資する人事評価制度及び賃金アップを含む賃金制度を同時に整備し、実施することを通じて、生産性向上を図り、賃金上昇と離職率低下を実現した事業主に対して助成を行う。

■テレワークコースの見直し

申請手続きの負担軽減及び審査の効率化の観点から、テレワーク勤務の実施に係る計画の、都道府県労働局長の事前認定を廃止するとともに、下記の通り支給対象及び助成額の見直しを行う。

A 制度導入助成:1企業当たり、20万円

B 目標達成助成:1企業当たり、10万円(賃上げ要件を満たした場合は15万円)

【現行制度】

就業規則等によりテレワーク制度を整備した中小企業事業主であって、都道府県労働局から認定を受けたテレワーク勤務の実施に係る計画に基づき、テレワーク用通信機器の導入等を行い、かつ、評価機関における対象労働者のテレワークの実績が一定の要件を満たした事業主に対し、機器等導入助成を支給する。
さらに、評価期間後1年間の離職率及び評価期間初日から1年を経過した日からの3か月間におけるテレワークの実績が一定の要件を満たした中小企業事業主に対し、上乗せで目標達成助成を支給する。

〇支給額

A 機器等導入助成:
 1企業当たり、テレワークを可能とする措置に要した費用の50%に相当する額
 (上限:対象労働者数×20万円または100万円のいずれか低い額)

B 目標達成助成:
  1企業当たり、テレワークを可能とする措置に要した費用の15%(賃上げ要件を満たした場合は25%)に相当する額(上限:対象労働者数×20万円又は100万円のいずれか低い額)

■外国人労働者終了環境整備コースの見直し

外国人労働者に対する就労環境の整備を図るため、下記の通り対象事業主の要件及び支給額を改正する。

〇対象事業主

  • 多言語化の範囲について、母国語に加えて平易な日本語を対象とする。
  • 日本人労働者の離職率の算定を廃止し、外国人労働者の離職率の算定期間を就労環境整備計画期間終了後の1年後から就労環境整備措置実施後の6か月後に短縮するとともに、職業安定局長が定める証明書を提出し、かつ就労環境整備措置実施日の前日から6か月前までに外国人労働者を解雇していない事業主については、当該要件は要しないこととする。

〇支給額

定率助成から定額助成に変更
上記措置を1つ講じるごとに20万円(上限80万円)

【現行制度】

外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行などに関する知識の不足や言語の違いなどから、労働条件・解雇などに関するトラブルが生じやすい傾向にあることから、外国人労特有の事業に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成する。

〇対象事業主

  • 外国人労働者に対する就労環境整備措置(以下の⑴及び⑵の措置に加え、⑶~⑸のいずれかの措置を選択)を新たに導入し、外国人労働者に対して実施していること
    ⑴ 雇用労務責任者の選定
    ⑵ 就業規則等の社内規程の多言語化
    ⑶ 苦情・相談体制の整備
    ⑷ 一時帰国のための休暇制度の整備
    ⑸ 社内マニュアル・標識類等の多言語化
  • 就労環境設備計画期間終了後の1年後における離職率が職業安定局長が定める目標値を達成していること

〇支給額

支給対象経費の1/2 上限額57万円(賃金要件を満たす場合は2/3 上限額72万円)

■派遣元特例コースの廃止

派遣元特例コースは、令和6年度適用のハローワーク別地域指数の定性に対応し、同一労働同一賃金の実施に取り組む派遣元事業主が令和6年度内に実施した賃金制度の整備・改善等に伴う経費を支援するために、令和7年3月末までの時限措置として創設した助成金であるところ、今般、その期限が到来することから、派遣元特例コースを廃止する。

【現行制度】

同一労働同一賃金の実施に取り組む派遣元事業主に対し、賃金制度の整備・改善に伴う経費を支援するための助成を行う。

  • 令和6年度に適用される賃金制度について、派遣元事業主が、訂正後の指数による一般賃金水準以上となるよう、労使協定を再締結するとともに、年度当初から協定再締結までの期間における差額(現行協定と訂正後の指数による一般賃金水準との差)を補う対応等(※)を実施した場合を対象とする(令和6年度内に実施したものに限る)
  • 整備に係る基本経費(定額5万円)に、雇用する派遣労働者の人数に応じた定額1人につき1万円)を加えた額(これを超える額を支払う場合は当該額)を支給する

キャリアアップ助成金

■キャリアアップ計画の見直し

申請手続きの負担軽減及び審査の効率化の観点から、キャリアアップ計画について、都道府県労働局長の認定を不要とする。

■正社員化コース助成金の見直し

支給対象者の重点化・適正化を図るため、下記の通り支給額及び加算額の見直しを行う。

〇支給額

引用:厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】」

※上記金額は、重点支援対象者の場合の支給額。それ以外の者は()内の金額を支給
※重点支援対象者は下記のいずれかに該当する者をいう

  • 有期契約労働者について通算雇用期間が3年以上5年以下の者
  • 有期契約労働者について通算雇用期間が3年未満であって、雇保則第110条第9項第1号イ⑵及び⑶いずれにも該当する者
  • 派遣労働者、母子家庭の母等若しくは父子家庭の父又は人材開発支援助成金の訓練修了者(有期契約労働者化無期契約労働者かは問わない。なお、人材開発支援助成金の訓練修了者については、令和9年3月31日まで重点支援対象者とする)

※支給対象者の適正化を図るため、有期契約労働者及び無期契約労働者について、支給対象者から、「新規学卒者については、その卒業後当該事業主に雇い入れられた日から起算して一定の期間を経過していないもの」を除くこととする
1年度1事業所当たりの支給申請上限人数20名

〇加算要件 (一人当たりの加算額)

※①については、無期契約労働者を正社員に転換する制度を新たに導入した場合も同額を加算
※②については、無期契約労働者を多様な正社員に転換する制度を新たに導入した場合も同額を加算

【現行制度】

〇支給額

就業規則又は労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期契約労働者等を正社員化した場合に助成する

※()内は通産雇用期間が5年超の場合
※1年度1事業所当たりの支給申請上限人数20名

〇加算額 (一人当たりの加算額)

※③の加算の対象となる訓練に該当する人材開発支援助成金のコースは、人材育成支援コース、事業展開等リスキリング支援コース及び人への投資促進コース。本加算は令和9年3月31日までの時限措置である
※④については、無期契約労働者を正社員に転換する制度を新たに導入した場合も同額を加算
※⑤については、無期契約労働者を多様な正社員に転換する制度を新たに導入した場合も同額を加算

■賃金規定等改定コース助成金の見直し

非正規雇用労小津社の賃上げを積極的に行う事業主への支援を強化するため、下記の通り拡充・新設を行う。

〇支給額

※1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は100名

〇加算要件 (1事業所当たりの加算額)

【現行制度】

〇支給額

労働協約又は就業規則の定めるところにより、その雇用する有期雇用労働者等に関して、賃金を一定の割合以上で増額する措置を講じた場合に助成

※1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は100名

〇加算額 (1事業所当たりの加算額)

■障害者正社員化コース助成金の見直し

申請手続きの負担軽減及び審査の効率化の観点から、キャリアアップ計画に係る都道府県労働局長の認定を不要とする。

【現行制度】

障害者の雇用を促進するとともに職場定着を図るために、有期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)又は無期雇用労働者に転換する措置、無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する措置のいずれかを継続的に講じた場合に助成金を支給。
キャリアアップ計画書を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主であることが要件。

人材開発支援助成金

■人材育成支援コース、人への投資促進コース及び事業展開等リスキリング支援コースの見直し

昨今の賃金上昇を踏まえ、訓練修了後に賃上げした場合を含め、賃金助成額を引き上げる。

①人材育成支援コース

②人への投資促進コース

③事業展開等リスキリング支援コース

【現行制度】

①人材育成コース

10時間以上のOFF-JTによる訓練、新卒者等のために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練、又は有期契約労働者等の正社員転換を目的として実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を行う事業主等を支援するコース

②人への投資促進コース

「人への投資」を加速化するため、国民の方からのご意見を踏まえてメニュー化した高度デジタル人材育成のための訓練等を行う事業主を支援するコース(令和4年度から令和8年度までの暫定措置)

③事業展開等リスキリング支援コース

企業内における新たな事業の創出等の事業展開等に伴い、労働者に必要となるスキルを習得させるための訓練を行う事業主を支援するコース。(令和4年度から令和8年度までの暫定措置)

※1 訓練終了後に賃金を増額した場合の要件は認定せず、あらかじめ高率助成に設定
※2 国内大学院を利用して訓練を実施した場合のみ対象
※3 有給による休暇を取得した場合に対象

■人材育成支援コースの見直し

  • 人材育成訓練について、10時間以上という比較的短時間のFF-JTによる訓練を助成対象としてており、必ずしも正規雇用労働者等への転換等のインセンティブとなっていないと考えられることから、正規雇用労働者等への転換等を実施した場合の高率助成を廃止する。一方、有期契約労働者等に対する訓練機会の確保を図る観点から、有期契約労働者等に訓練を実施した場合の経費助成率(訓練終了後に賃上げした場合の経費助成率を含む)を引き上げる。
  • 有期実習型訓練について、正規雇用労働者等への転換等を一層促進する観点から、助成メニューを正規雇用労働者等に転換等した場合に限定した上で、経費助成率を引き上げる。

※正規雇用労働者等に対して、訓練を実施した場合は中小企業45%(中小企業以外30%)、訓練修了後賃上げを実施した場合は中小企業60%(中小企業以外45%)

【現行制度】

※正規雇用労働者等に対して、訓練を実施した場合は中小企業45%(中小企業以外30%)、訓練終了後賃上げを実施した場合は中小企業60%(中小企業以外45%)

2028年技能五輪国際大会に係る法人に対する経費補助

2028年技能五輪国際大会の、日本での準備及び開催に当たり設立予定の財団法人が行う開催準備(競技運営及び国内関係団体への協力依頼)及び国内における開催機運の醸成に要する経費補助を雇用保険法に基づく事業の一つとして位置付ける。

・雇保則第138条に「2028年技能五輪国際大会の開催及び準備を目的とする法人に対して、その業務に要する経費の補助を行うこと。」を追加

高年齢労働者処遇改善促進助成金

令和7年4月の高年齢雇用継続給付の給率の見直しの施行に向け、事業主による高年齢労働者の処遇改善の取組を推進するために、令和7年3月までの時限措置として創設した助成金であるところ、今般、その期限が到来するため、助成金制度を廃止する。

【現行制度】

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保を推進する等の観点あkら、60歳~64歳までの高年齢被保険者の処遇改善に向けて、就業規則等の定めるところにより、当該高年齢被保険者に適用される賃金規定等の改定に取り組む事業主に対し、助成金を助成する。

〇対象事業主

その雇用する60歳~64歳の被保険者に係る高年齢雇用継続基本給付金の受給総額が賃金規定等改定前後において減少している事業主

〇対象期間

令和7年3月31日まで

〇支給額

当該事業所に雇用される被保険者に限る、賃金規定等改定前後を比較した高年齢雇用継続基本給付金の受給総額の減少額に、2/3(中小企業事業主にあっては4/5)を乗じた額

※令和5年度以降は減少額に、1/2(中小企業事業主にあっては2/3)を乗じた額
※6か月に1度、最大4回(2年間)まで申請可能であり、2回目以降も、初回の新s寧時に適用された助成率を適用(支給要件で規定)。

通年雇用助成金

季節労働者の移動就労に係る経費、休業に係る経費及び試行雇用終了後の常用雇用に係る経費に対する助成について、暫定措置の期間を3年間延長する。

【現行制度】

北海道、青森県等(13道県)の積雪寒冷地において、季節的業務に従事する労働者の通年雇用化や労働移動を促進する事業主に対して次の通り助成する。

  • 令和7年3月15日までの暫定措置として、季節労働者を通年雇用化するため、住所又は居所の変更を伴う場合に要する経費を事業主が負担した場合、その経費に相当する額を助成
  • 令和7年4月30日までの暫定措置として、通年雇用化した季節労働者を一時的に休業させ休業手当を支払った場合、支払った賃金の一部を助成
  • 令和7年3月31日までの暫定措置として、季節労働者を試行雇用し、引き続き常用雇用した場合、常用雇用後6か月間に支払った賃金の助成率を1/3から1/2へ引き上げ

画像引用元:厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】」

改正による影響

助成金の受給要件等が改正されます。
助成金申請を検討中の企業様につきましては、施行日からの改正内容をよくご確認の上、適切な内容で申請ができるよう準備を進めてください。

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